blog移設
blogを移設いたします。今後ともよろしくお願いいたします。
【写真共有】shidaxさんのコメントに挙げた橋「羽衣橋」
共有記事です。
長崎水辺の森公園の人道橋群の1つで、トンネルから抜けてきた時に初めに視線が向けられる橋です。
羽衣橋の桁裏の内向きの傾倒防止用のテンション材。
見返してみたら、三次元的に処理されていました。
デザインはWAO西村さん、エンジニアは元アジア航測にいらした寺田さん、監修は篠原先生で、エンジニア×監修は新港サークルウォークと一緒ですね。
この橋では、下の運河に船が通される予定だった為、桁下の煩雑さ回避が検討事項の上位にあったようです。(現在、船は通っていないのですが…)
テンション材と一体となった留具とすることで、ディテールがすっきりしてます。(丸棒と留具が一体的になってます)
ライトアップ用の照明器具等が入っていることで、少し複雑に見えますが、割にスッキリ収まっていると思います。
某照明の大先生が会議に入っているのです。
すこし派手ですが、浮遊感があって好きです
さて、yujiokadaは、議論が結構長大な橋に向いている流れに反して「ちっちゃな橋」の概念的なことを次はちゃんと記事として書きたいと思います。
勝手にロゴもつくって、ブログのデザイン更新しました
ロゴは、次のことを意識して勝手につくりました!
•GROUDSCAPE DESGIN youthの縁で繋がっていった(繋がっていく)若手土木設計者、GSDyの橋梁クラスターとしての位置づけ
→ユースの「荒削りな原石」という円を踏襲しました
•名前は、hasseyさんがつけた「Bridge design youth=BDY」をそのまま用いました
•貪欲に真っ直ぐに精進する若者をイメージして、「Bank Gothic」としました
•Yの足が伸びているのは気分です。枝状になった橋脚の断面図、或はドイツ人が大好きなY字平面の線形ぽいイメージ
近江大鳥橋について-その1-
どうもhassyです。
突然ですが、みなさんこの橋をご存知でしょうか?

ウィキペディアより
近江大鳥橋。通称栗東橋。滋賀県栗東市の南を走る新名神高速道路の一旦を担う橋です。形式はPC連続波形鋼板ウェブエクストラドーズド橋。詳しい緒言はウィキ参照。設計は弊社です。笑 幸か不幸か、デザインに興味のある人は高確率で訪れるであろうMIHO MUSEUMへの道のり最中に必ずその下を通り、「なんだこりゃ」的な印象を持った方も少なくないはず。
なんでこの橋に着眼したかと言うと、僕はこの橋が大嫌いだからです。
大嫌いだけど、なんでこうなっちゃったのかというところをきちんと考察してみようと思いました。
僕が思うに、この栗東橋は、「デザインとエンジニアリングが全くコラボレートしなかった典型的な例」として位置づけられるのではないでしょうか。
まずは、こう思う理由を簡単に述べていきます。。。
1.エンジニアの思想
橋梁と基礎2003.12月号に栗東橋の設計報告が記載されています。生態系への配慮等いろいろと考えられてはいるのですが、特筆すべき栗東橋の技術的特徴として、「ケーブル定着部の簡素化」があげられると思います。
具体的に言いますと、桁側の定着は鋼製ダイヤフラムを用いて力の流れを明確にし、かつ、コンクリート定着体に比べ自重を低減しています(図ー1、図ー2)。主塔側の定着についても、鋼製定着体を用いて、左右の斜材を同一平面上に配置することで、定着スペースのコンパクト化を図っています(図ー3)。
つまるところ、エンジニアの思想としては、とにかく簡素化(コスト低減)だった訳です。
かの先人たちもまた、無駄を省き、コストを低減しながら素晴らしい橋梁を設計しています。マイヤールはその証明でしょう(必ずしもコスト低減が良いプロポーションを生むとは限りませんし、まぁ、残念ながら日本の場合、縦割り行政うんぬんもあり、必ずしもコスト低減が良い方向に効いているとは言えません)。
とにかく、エンジニアの思想としてはsimple is the bestな訳だったのです。エンジニアの思想だけを反映した形を示しておきます。弊社設計の栗東橋のイメージです(図ー4)。まぁ、これがいいとも言えません。笑
2.デザイナーの思想
ところが、栗東橋の形はあるデザイナーの介入により一変します。アメリカのデザイナーTanja Wilcoxさんです。橋脚の造形を中心に手がけられています。栗東橋のデザイン思想をまとめた文献がありました。英語は不得意なので、きちんと理解は出来ていませんが、気になった点だけ参照します。
「the bridge were not yet sculptures in harmony with the natural forest landscape and the local community」
弊社設計の形に対するコメントです。まぁ、景観やってれば良く耳にする言葉ですが、すごく気になった単語が【sculpture=彫刻】です。はて?橋梁(土木構造物)は彫刻か?という疑問を投げかけたい。僕はそうじゃないと思う。しだっちどうだろう。笑
橋はアートじゃない。自分の思想を思う存分表現する場ではないのです。そんなのは他でやってくれと言いたいのです。
少し感情的になりすぎました。もうしわけ。
文献に戻ります。
「Inspiration came from the Jpanese lave for nature and bird. The design borrows the flowing lines of the nationally significant Japanese Crane,…」
こうした自然との調和や地域性といったものを考慮した結果出て来たのが、「鶴」です。
もう意味不明です。こんな事も書いてました。
「The crane is used in tapestry designs, paper designs, in logos, such as in an old Sake company, and is even represented on the 1000 Yen note.」
まぁ、そうなんですけど。。。
日本を象徴するものとしての鶴をモチーフに主塔が造形されたわけです。
ここで一度エンジニアの思想に戻ります。
出来る限り簡素化したかったのです。当然、鶴の造形はトップヘビーとなり、ハイピアの基部に大きなモーメントを発生させます。数値としてどれほどだったのかがわからないので、明確には言えませんが。。。
3.デザインの定義/エンジニアリングの定義
以上の様に、デザインとエンジニアリングが水と油の関係となってできたモノが栗東橋だということがわかって頂けるのではないでしょうか。ただ、Wilcoxさん自身は、この栗東橋がデザインとエンジニアリングのコラボレーションが生んだ橋だと供述しています。その理由として「エンジニアがCADで鶴の造形の図面を描いてくれた。」的なことが書いてました。すいません参照箇所を見失いました。笑 これでコラボレーションと言って良い訳がないのです。
Wilcoxさんのエンジニアリングに対する誤解(CADが使える)やエンジニアのデザインに対する誤解(なんか造形すげーけど、無駄で面倒くさい)が今現在も無いとはいえません。僕の実感では、エンジニアのデザインに対する誤解は根深いものです。
今、僕にも明確な答えはありませんが、土木におけるデザインとエンジニアリングの定義をもう一度きちんと議論すべきだとは思っています。あまりにも認識が違いすぎるのです。
以上、大雑把ではありますが、栗東橋についての考察を述べてみました。
その2では、エクストラドーズド橋の事例を当たりながら、もっと形の話をしたいと思います。栗東橋には他に良い解はなかったのかというところをざくっと書いてみたいと思います。
震災以降の設計
3.11の震災、津波でとある鉄道橋が流された。形式はPC上路橋。隣接する下路橋梁が現存することから、津波による外力を受けて落橋したものと考えられる。
復旧の考え方は。
本橋のスパンは約30m。いわゆるスパンから決定される橋梁形式でいえばPC桁となるのだろう。しかし、今回はそもそもの落橋の原因である津波の外力を考えないわけにはいかない。従来形式である上路橋が避けられるのはもちろん、下路形式についても面として桁が立ち上がるため「想定外」に対する考慮も必要となる。
例えば、これに替わって考えられる形式に鋼下路トラスがある。30mというスパンから、上弦材の無いポニートラスのようなものが経済的に優れるのだろう。

(小貝川橋梁)
ここまで書いてみたところで問題なのは、結局のところ形式によるゴールイメージを持っているところ。少し意識的に離れようとしてみる。
ここからは完全なメモランダム…
○ひとまず、ポニートラスをそれとして受け取るのではなく「下路形式で壁式の桁とならない」機能の面で捉えておく。この点、通常のトラスとの差はないが、スパンも含めた経済性の条件によって変形していくはずである。
○この機能に並行して問われるであろう問題に上弦材の省略による「桁の面外方向の剛性」がある。通常あるような桁内側の補剛材も考えられるが、内側への倒れ込みを抑えるケーブル(引張材)を桁外側に張り出す、もしくは三次元的な構造形態も考えられる。この際、架線柱を含めてみても良いかもしれない。
○積雪が見込まれる地域かどうか。太平洋側なので考慮に入らない可能性もあるが、場合によっては開床式や融雪設備も条件として併せて並べておく必要がある。「雪が落ちる、もしくは掃き出しやすい」ということ。
○ディティールの部分はどうか。細かい格点に限定するが、ここも詰まるところ力をどう伝えるのか、ということに他ならない。全体の応力系の一部として「集中点となることを避ける」
○さて色はどうか。今、色は全ての要素に輪郭を与える役割を担えないだろうか、ということを微かに考えている。諸要素を並べた時に吐き出されるかたちは無数にあるかもしれない。例えば、かたちと色の関係付けができるのなら、ストライクゾーンとして絞られた色からかたちが導かれはしないだろうか?震災復興橋梁が設計された当時の論説でも”必要な部材、要素に輪郭を与えていくのは結局のところ人の判断であり、感性とは切り離せない”というようなことが書いてあったと記憶している。
…などなど。まだまだ考えられる。
今までにない性能を要求されるならば、設計の考え方を改める機会になるのだと思う。従来の検討を避けて通る、もしくは惑わされないためにも、ストックとツールについても考えていきたい。誠実さと野心的であることに替えて。
必要な要素の単純な足し引きを越え、全体を全体として処理できる方法も強い味方となるのでは。
まあ、結局のところはまだまだ想像でしかないのですが…。
斜版橋について…
本ブログの一稿目として、斜版橋について思うところを書きます。
まず、この斜版橋という名前、なかなか耳慣れない形式名かと思います。どのような橋梁か簡単に言うと、斜張橋、エクストラドーズド橋等の外ケーブルをコンクリートで覆ったもの、となるでしょうか?近年増えているフィンバック形式も大きな分類では斜版橋だと言えそうです。イメージしやすいものとして、同形式で最も有名な橋はスイスのガンター橋でしょう。この形式の主な特徴として、桁高の抑制やケーブル防護対策が不要になるなど、PC斜版による構造系への影響やケーブル維持に関する利点が挙げられます。
さて、今回橋について語る上でなぜ斜版橋を選んだのかというと、この形式が鉄道橋で多く採用されている形式だからです。コンサル鉄道部勤務という私の仕事上、ここに自然と興味が向いたのです。
「PC斜張橋・エクストラドーズド橋設計施工基準(技法堂:2009)」の付属資料によると、国内で斜版橋として分類されるものは7橋しかなく、その全てが鉄道橋となっています(2010年に施工された第二吾妻川橋梁を併せて全8橋。こちらも鉄道橋)。これは、斜張橋と比較して振動やたわみに対して優れていることと、鉄道橋における同内容の制限が厳しいことに由来しているようです。また、所在地も川内川橋梁(鹿児島県)を除き、ほぼ東北地方〜北海道に分布していることから、ケーブル防護の意味合いも強いのかもしれません。
…と、ここまで一般的な内容を書きましたが、もう1つ斜版橋を対象にした理由があります。現状架けられている同形式の橋梁は、比較的自由度が高い形式にも関わらず、洗練されていない、野暮ったい雰囲気のものが多いのです。ここからはかなり個人的な印象も含めた内容となります。
まず、小本川橋梁や新牛朱別橋梁(下画像)など最初期の斜版橋で見られるこの形。

(出典:北海道土木技術会コンクリート研究委員会HP)
1つの版ではなく比較的細い2本の斜材をハープ型に張り出しています。見た目では、通常の斜張橋にみられる複数本のケーブルが成す繊細さはありません。ガンター橋のような版面の創り出す力強さにも欠ける。主塔はいうまでもなく、斜材の桁への取付け部も桁と一体となって構造系に影響しているようには見えないものがあります。PC斜材にすることで得られた効果はケーブル本数の減少に留まっているのではないでしょうか?先に述べたように、寒冷地域などでのケーブル防護対策としては有効でしょうが、あくまで付加的な扱いに見えてしまいます。

(出典:橋の散歩径HP)
比較的最近の斜版橋では少し系統が変わってきます。須川橋梁や川内川橋梁(上画像)のようなものです。
先に示した橋梁との大きな違いとして、複数本のケーブルを含んだ1枚の版で斜材が構成されています。よりシンプルにまとまっており、特に川内川橋梁では桁と斜版の水平方向に延びる面が気持ちの良いものです。主塔高さは低くなり、下路〜中路形式なので分かりにくいかもしれませんが、桁高も抑えられています。主桁には傾斜も付けられており、斜版橋としての基本的な造形処理が成されていると思います。
しかし、それでもまだ難癖をつけると橋脚と主塔との関係、鉄道固有の問題といえる架線ピッチとの関係などが指摘できます。

(出典:鹿島HP)
一番新しい、第二吾妻川橋梁にも触れておきますか…
本橋梁で特徴的なのは4本柱から成る主塔で、それぞれ橋軸と橋軸直角方向の水平梁で繋がっており、そこから延びる斜版が下路桁に接続しています。どういった設計条件から決定したのかは分からないのですが、この主塔は桁と分離されており、かつ、これとは別に橋脚も設けられています。径間長や曲線橋といった点より構造面でこのような構成になったのでしょうが、主塔付近では多くの要素が錯綜する複雑な構成になっています。この写真では取付けられていないようですが、これから架線が設置されることを考えるとこういった印象はより強くなるはずです。
似た形式で、こういった諸々の要素を上手くまとめた事例といったらやはり鳴瀬川橋梁なのでしょうね。
ざっと斜版橋について書きましたが、結構長くなってしまったのでこのあたりで止めようと思います。しかし、どうすればこういった要素を上手く収めることができるのでしょう?この疑問を含めた橋梁設計について思うところはまた次回に。





